拡大鏡(ルーペ)を使用
当院では全ての治療、全ての患者さんに拡大鏡(ルーペ)を使用しています。歯科治療は小さな世界の治療です。拡大ルーペを使用する理由としては目視では見える限界があるということです。
歯科治療において、見えているか見えていないかは大変大きな違いです。例えば拡大鏡(ルーペ)を使い良く見えることで小さな虫歯も発見できますし、被せものを作る際は細かいところまで丁寧に歯の形を整え、より精密な隙間のない被せものを作ることができます。
肉眼では発見しづらい歯のヒビも拡大鏡(ルーペ)でははっきりと見えます。小さな見落としがあるとそれは後々患者さんの歯の寿命にもかかわってきます。当院は来ていただいた患者さんの歯を健康にすべく、ミクロレベルでの治療をおこなっています。
どうして虫歯になってしまうのか
そもそも虫歯はどうやって作られるのでしょうか。虫歯の作られる過程を見ていきましょう。まず歯の表面に付着した歯垢(プラーク)に虫歯をつくる菌(ミュータンス菌)が住みついて、お口の中の糖分を栄養として酸を出します。酸は歯の表面を溶かしていきやがて虫歯になってしまうというわけです。
また虫歯を作るミュータンス菌の数には個人差があります。人は生まれつきミュータンス菌の数が決まっているわけではなく、ミュータンス菌は生後10か月~3歳くらいの間に大人から感染するといわれています。
例えばお口の中にミュータンス菌が沢山いる大人が使ったスプーンなどをそのままお子さんが使えばミュータンス菌がお子さんに感染してしまいます。ちいさなお子さんのお食事の際など、ミュータンス菌が感染しないよう周りのご家族は気を付けてあげたいですね。
虫歯の進行度
虫歯の進行度は次のようになります
C1
初期の虫歯 歯の表面が虫歯になった状態。自分では気が付きにくい。
痛み、しみるなどの症状はほとんどない。フッ素塗布で虫歯の進行を遅らせることが期待できる
C2
虫歯が歯の内面にも浸食する。歯の表面を溶かし、中まで虫歯が進行した状態。冷たいもの、甘いものがしみる場合がある。
C3
歯の神経まで虫歯が到達してしまった状態。痛みが出たり、冷たいものだけではなく温かいものもしみる。痛みが激痛を及ぼすこともある。
C4
歯の頭の部分はほぼ無く歯の根だけ残った状態。神経は死んでしまっている。ひどい痛みはなくなるが、歯肉が腫れたり膿がでることもある。歯の根も使えないこともあるため、抜歯になることもある。
虫歯の治療
当院はどの治療においてもそうなのですが、いきなり治療をすることはありません。まずはカウンセリングです。どんな状態なのか、お痛みがあるのか、また歯科において恐怖心が強い方には焦らずゆっくりと確実に通院できるようにサポートしていきます。
なぜならば当院はストレスなく、痛くなく、患者さんが通いやすい歯科医院という環境をご提供したいからです。虫歯の治療においてもまず患者さんが痛くないよう、怖くないように治療するよう心がけています。少しでも痛みや恐怖心がある場合はすぐにお伝えください。
CR(コンポジットレジン)
比較的小さな虫歯はCR(コンポジットレジン)とよばれる白い詰めものの治療になります。CRは紫外線を当てることで硬化するレジンであり白い色なので見た目も自然です。柔らかい材質なので噛んでいるうちにすり減りやすく汚れもつきやすいのが特徴です。
詰めた後はしっかりと噛み合わせを確認します。一回の治療で終わりますが、何年かすると経年劣化で詰めた部分が変色することがあります。保険内診療で治療できます。
銀歯(インレー・FMC)
CRで詰め物をするのには虫歯が大きい、詰める部分が大きすぎる、また歯と歯の間に大きな虫歯があった、という場合は銀歯になることが多いです。CRは比較的柔らかめの材質のため、詰める面積が大きいと後々詰めた部分が欠けてしまったり、2次カリエスといって詰めた部分から虫歯になりやすくなってしまいます。
インレーは噛む面を中心に歯が見える程度の面積の銀歯を指し、FMCは歯をすっぽりと覆う形の銀歯になります。両方とも使われる金属は、パラジウム合金、銀、金、銅、など様々な材質がまざったものです。
虫歯をしっかりと取り除いたら歯の型取りをして作製します。2回目の来院時に出来た銀歯を専用のセメントでつけます。注意したい点として銀歯は天然の歯より固めの材質なので噛み合わせが悪いと強くあたりすぎてしまい歯を痛めてしまうことがあります。
ドクターが適切に噛み合わせをチェックしてからつけていきます。通院はおおよそ2回ですむでしょう。こちらも保険内診療で治療できます。
ゴールドインレー・ゴールドFMC
ゴールドは上にあげたインレー・FMCと形の種類は一緒ですが大きく違うのは材質です。ゴールドは保険内診療で作製できる銀歯と違い、硬さが若干やわらかい素材です。
噛み合わせる歯もすりへることが少なく、長持ちする傾向があります。しかし見た目は金色に近い色なので好みがあるかもしれません。ゴールドは自費治療扱いとなります。
根管治療
根管治療とは歯の根の治療のことを指します。根の中を小さな器具で消毒し、炎症がなく菌がいない状態になるまで数回つづけます。根の中が綺麗になってきたら最終的なお薬を根の先まで密封していれます。その後は場合によってはコアとよばれる土台をたて、被せものの治療に進んでいきます。
根管治療となる場合は2種類あり、虫歯に侵され痛みがあり神経までいってしまった場合(C3)と以前に根管治療をしたが菌が根の中に残っていたため根の先に膿の袋ができ、痛みや腫れが出た場合です。どちらも痛みを伴う時は麻酔を使用します。患者さんにストレスがかからないよう治療していきます。