インプラントは少し前にくらべると、かなり世間一般に広まっているのではないでしょうか。インプラントとは、歯のないところにチタン、またはチタン合金の人工的歯根を埋め、それに土台をつくり被せものをしていく治療です。
昔は歯を失うと、入れ歯かブリッジという選択肢しかなかったのですが、現代はインプラントが選択肢に加わり、注目度もあり需要も高くなってきています。インプラントは自費治療となります。
インプラントのながれ
院内CTで立体的に撮影し、カウンセリングします
当院では歯科用CTを設置しています。顎の骨を立体的に撮影することで骨の密度、形などを詳細に分析することが可能です。通常のレントゲン写真が2Dならば、歯科用CTは3Dといったところでしょう。細かいところまで診査できるのでより安全にインプラントができます。
インプラントはどんなものなのか、どんな施術になるのか、どの被せものが入るのかなど患者さんには不安に思われる点もあるかと思います。金額的なことも含め、不安なまま治療に入るのは良くありません。しっかりと全てにおいてカウンセリングさせていただき進めていきます。
埋入場所の確認・ご説明
レントゲン写真、CT画像を用いてインプラントを埋める場所を決めていきます。その際ステントというインプラントの位置決めの目安になるものを作製し最終的な歯が入るまでの想定した診断を行っていきます。ご自分の歯が少なく、何本インプラントを入れいいかわからない、という方もいらっしゃると思います。
しかし天然の歯の本数と同じ本数のインプラントを入れていくとも限りません。CT画像とステント、またドクターの正確な診断でしっかり噛めるような埋入のプランを検討していきます。
施術(清潔な管理・感染予防)
当院では、高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)を導入しています。滅菌器の中では最高クラスのもので、中に器具を入れ内部を高圧にすることによってすべての微生物を滅菌できます。インプラントに限らず、当院ではすべての器具をオートクレーブで滅菌していますが、インプラントの際には特に感染に注意をはらっています。
インプラントを埋めた周囲が細菌に感染してしまうと「周囲炎」を引き起こすことがあり、症状が悪化するとインプラントを支える骨の破壊が進んでインプラントが抜け落ちてしまうことがあるからです。よって器具の徹底的な滅菌はとても重要だと考えます。
施術はケースにもよりますが、1時間~2時間ほどで終了します。しっかりと麻酔をきかせて行いますのでご安心ください。痛みがある場合は麻酔を追加しご様子を見ながらおこなっていきます。
アフターケア(消毒・経過)
術後は、腫れや痛みをともなうこともありますので、処方された抗生剤や鎮痛剤をしっかりと服用していただきます。消毒を行い、術後の歯肉の状態をみながらしっかりと清潔に保つようお口の中のケアをしていきます。
特に歯周病には注意が必要です。インプラントでも天然の歯のように歯周病にかかります。インプラント周辺はしっかりと歯磨き(プラークコントロール)していくことがポイントです。
上部構造の製作と装着
インプラントの上部につくる被せものを上部構造といいます。インプラントが骨と密着してきたのを確認したら、アバットと呼ばれる土台部分を付けていき、その上から被せる被せものの準備をします。
被せものの材質もカウンセリング時にしっかりとご説明させて頂き決定していきます。
メンテナンス
インプラントの治療終了後はドクターによる定期的な診察が大切です。また定期的にクリーニングも行っていきます。しっかりインプラントを管理することでより長期的に使用していただきます。また、歯周病にかからないよう歯周病の検診も忘れずに受けていきましょう。
せっかく入れたインプラントです。患者さんと歯科医院での連携した管理で、末永くご自分の歯のように噛めるようケアを継続していきましょう。